読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

木陰のなかの水たまり

日常のささいなことや、光や影について、ゆるく書いていければなと思います。

読書のちょっとしたコツ

本を読むことについて、拒絶的な反応をする人がたまにいる。何故と問うと、「本は難しい、読めない」という答えが返ってくる。読書は難しいものなのだろうか。読書というのは、活字を追いながら頭の中にイメージを描いていく作業である。もちろん世の中には難解な書籍も沢山ある。しかし彼らが言う「難しい」とは、そういう難解な書籍だけを指し示して述べているわけではない。本一般について苦手意識があるのだ。

思うに彼らの多くは、読書は教養を高めるために、知識を得るためにするものだと思っている。あるいは得なければならないと思っている。このような思いを抱きながら読書をするのは苦痛なはずだ。私も小学校や中学校の授業で、物語に対して解釈を決めつけられるのは我慢がならなかった。そこには個人の自由が入り込む余地は少なく、娯楽というよりかは学びの意識が多分にあった。

読書はもっと自由であるべきなのだ。そして、読書という趣味を持つにあたり、一番大切なことは、心の一番奥底まで響く本に出会えたかどうかである。幸運なことに、人生を揺さぶるような本に出会えた人は、その後の人生で本は、彼/彼女の良き友人になってくれるだろう。不運なことにまだ出会えていない人は、依然として義務感を伴って読書をすることだろう。良き友人を持った人は、その友人のことをもっと知りたいという欲求が生まれ、友人と会話をし、相手への理解はますます深まっていく。そしてその友人と出会えたことは、彼/彼女らの大切な価値となる。

そのような本に出会うためには、どうすれば良いのか。これは本当に偶然というか運命の出会いという気がする。ただ、なんとなく言えるのは、自分が本を求めたときに、向こうから近づいてきてくれることが多いように思う。自分が精神的に落ち込んだ時、声にならない叫びを発したとき、心から何かを求めたような渇望を感じたとき、そのとき私たしは運命の本に出会えるだろう。なぜなら、本というものは私たちの飢えを満たしてくれるものであるし、心の避難所のような役割を果たしてくれるからだ。本物の友達のように。

 

ただ、そうは言っても本を読むことにどうしても抵抗がある人もいるかもしれない。そこで私が実践しているちょっとしたコツを記そう。それは、線を引きながら読むことだ。では、どこに線を引けば良いのか。

まさしく「あなたが心揺さぶられたところ」である。どんなことでもいい。素敵な比喩だったり面白い言い回しだったり。あるいは純粋に読んでいて心ワクワクするところでもいい。そうすることで自然と読むスピードは遅くなり、内容は頭に入りやすくなる。加えて、続きから読み直すとき、本の内容を思い出しやすくなる。筆記用具がなければ、ページの端を少し折るだけでもいい。

 

そんなちょっとした工夫で、本は想像以上に身近に感じるはずだ。