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木陰のなかの水たまり

日常のささいなことや、光や影について、ゆるく書いていければなと思います。

闇に飲まれた職場

私の職場は、自慢じゃないが昭和時代から何も変わっていない。書類が山積み、ハンコを役職ごとに押す決裁。文書の電子化なんて夢のまた夢で、書棚にはファイルが並んでいる。こんな職場は、時代の波に飲み込まれ、あと数年したら間違いなく倒産するだろう。想像がつくだろうか、紙に埋もれた職場を。オフィスという言葉は似合わない。事務室という言葉がぴったりだ。

時代の流れに取り残されたのはなぜだろうか。事務仕事では頭を使わない(というと語弊があるが)。効率化ももちろん大事だが、事務にとって一番大切なのは、ミスなく滞りなく書類を作成し、次の係にタスキをつなぐことだろう。だから必然的に、工夫をするということが少なくなる。もちろん、この世の事務をされている方々は工夫を凝らしていらっしゃるのだろうが、私の職場ではそうではない。ミスがないように、慎重に慎重に「処理」という業務に励んでいる。結果として、時代の流れにいつの間にか取り残される。それで、机の上は書類で埋め尽くされるわけだ。

本人たちは、仕事をするのに必死なのだろう。しかし、仕事の喜びは知らないだろう。かく言う私も、仕事の喜びはあまり知らない。これは非常に不幸な事だと思う。空気の流れも悪く、混濁している。人間の精神もどんどん凝り固まっていき、書類でいっぱいになった書棚のように頑固者になっていく。一体誰が好き好んで、こんな仕事を日々しているのだろうか。

私も、ここで働く者の一人だ。私はどうにかこの状況を変えたいと願う。しかし職場というのは、歴史の重みでビクともしない。ここを去ったほうがいいのか、もうしばらくここで頑張ったらいいのか。働くものは気づいている。いつかこの職場は、閉鎖されるだろうと。働くものは気づいている。自分たちも仕事の喜びを感じたいと。私たちの掠れた叫びを聞いて欲しいと。